営業担当者の心の内・住まい購入編 第4回

こんにちは、佐海のおっちゃんです。

不動産会社の営業マンは、不動産を通してお客さんに何らかの利益をもたらしている訳ですが、とりわけ「住まい」を扱う者としては、毎日の生活を支える基盤であり安らぎの空間をお世話することとなり、非常に責任の重い仕事です。
個々のお客様のご希望を十二分に聞き出し、足りない知識を補足しながら的確にアドバイスし、希望条件を整理することにより方向性を導き出して、最適物件を提供することが使命です。

営業担当者「では、こんなのどうでしょう。お話しを整理すると、買いたい物件・場所は決まっているようですから、後は➀購入資金をどうするかと、②返済計画の問題ですね。➀購入資金は3,500万円を目途に全額住宅ローンを組む以外にないですね。そして、②返済計画は35年返済を組む以外にありませんね」

買主(ご主人)「ちょっと待ってください。さっきお話ししたように35年も住宅ローンを払うなんて、いやなんです」

営業担当者の心の声(分かってますって、最後まで聞いてよ〜)

営業担当者「ですから、早く返済してしまえばいいんです!一旦、35年で住宅ローンを組んでおき、一部返済や一括返済で20年を目標に返済してしまえばいいんです」

買主(ご主人)「そんな事できるんですか?」

営業担当者「一部返済も一括返済もできます。しかも、銀行によって多少細かいルールの違いはあるかも知れませんが、一部返済の場合、まとめて返済した分を返済期間はそのままで毎月の返済額を少なくすることも、返済額はそのままで返済期間を短くすることもできます。おまけに、住宅ローンを利用すると住宅ローン控除として10年間所得税の控除がうけられます。おそらく、ご主人様の場合、今なら年間25万円で10年間で250万円位ですね」

買主(奥様)「250万円…そんなに。私の実質年収の1年分位だわ」

買主(ご主人)「なるほど…そうなんだ」

営業担当者「もともと、住宅ローンの借り入れ期間は25年でしたが、人の寿命が延び、労働者の定年が延び、働ける期間が長くなったのに伴い35年となったようです。これはどう言うことかと言いますと、今でも住宅ローンの利用者は20年~25年で、ほぼ完済していると言う裏返しです。住宅ローンが35年となって一番喜んでいるのは、銀行さんかも知れません。従来の25年の住宅ローンでは、買えなかった方が買えるようになったのだから、大幅に利用客が増えた訳ですから。…と言う訳で、日本の場合ほとんどの方が早期に完済されていると言う訳です。みなさんもご主人さんと一緒で35年も住宅ローンを返済していくのがいやなんですね」

買主(ご主人)「みんなそうですよね!」

買主(奥様)「若いうちに頑張って早く返せばいいんだ!それなら、子供ができても私の両親もまだまだ元気で面倒みてくれる今のうちに買っておいた方がいいわよね」

営業担当者の心の声(ヤッター!少しは信頼していただけたようだ)

営業担当者「変動固定10年35年返済で住宅ローンを組むと、毎月返済の返済額が約95,000円で、しかもボーナス返済は0円です。これならご主人さんの収入で返済して行っても十分に生活はして行けますよね」

買主(奥様)「今のお家賃と同じだわ!と言うことは、今まで通り私の収入はすべて貯金できるわ。実は私たち結婚してまだ1年なんです。頑張って1年で頭金のつもりで300万円貯めたんです。あと5年頑張って1,500万円貯めて、一部返済すれば借入額が少なくても2,000万円になるから…。1,500万円を5年後に一部返済した場合、返済期間はそのままに
した場合、毎月の返済額はどれくらいになりますか?」

営業担当者「今、計算しますので、ちょっと待ってください…」

営業担当者の心の声(よっしゃー!いい感じになって来た!)

次回、つづく

まとめ

・住宅ローンは一部返済や一括返済される利用者が多い。
・住宅ローンを利用すると、住宅ローン控除として10年間所得税の控除が受けられます。

*住宅ローンの金利は、2018年7月度時点の三菱UFJ銀行の金利を参考に計算しています。
*住宅ローンの計算に際しては、優遇金利は考慮していません。

高く売りたい!安く買いたい!パート5

三番目に影響力の強いのが

❸買替の場合です。

今住んでいる「住まい」を売却して、新しい「住まい」を購入する買替のケースです。
買替はほとんどの場合、売却と購入が同時進行するうえに、新しく購入する「住まい」の決済日が決定しています。
いま住んでいる「住まい」を売却しその売却資金で住宅ローンの残債(*1)を返却し、新しく購入した「住まい」の新たな住宅ローンを組む、あるいは購入資金の一部にするのが一般的なためです。おのずと、いま住んでいる「住まい」の売却リミットが決まっているので、どうしても割安感のある売出し価格で市場に出す場合が多くなります。

(*1)残債
住宅ローンなどの借入金の返済した額の残りの債務(元金)のこと

ゆっくりと時間をかけて売るための「つなぎローン」という手段もありますが、諸費用・金利を考えると結局早期に売った場合より手残りが少なくなる結果も考えられるため、一概には賢明な方法とは言えません。

買替は決してレアなケースではありません。特に分譲マンションの場合は常に売却理由の上位にあるため売主の足元を見るようです。
買主の立場から言えば売主の売却理由が事前に分かり、値段交渉で有利に交渉を進められる場合も考えられますが、売主の買替物件の引渡し期日が決まっており、明け渡しで譲歩を迫られる場合があるのも事実です。

概ね以上ですが、実際にはこれまでお話しした❶❷❸の理由が絡み合い、そのケースごとに取り引き「価格」が決定されています。

人気の中古マンションや地域では、そもそも売却物件が少ないために割高な価格でも早期に売れてしまいます。
「不動産は換金性の高い物件を買え」という言葉を聞いたことのある方も多いと思いますが、「住まい」でも将来売却する可能性がある場合は、割高感があるとしても人気の地域・物件を購入した方が売却の際に高く売れ、しかも売却計画がスムーズに行われるため精神的にも負担が少なくて済み、お金以上に価値があると言えるかもしれませんね。

それにしても、誰でも簡単に相場を知ることができる情報社会となった現在、売主さんには申し訳ないのですが、よほどのことが無い限り相場の5%以上で売れることはまずありません。

高額な買い物である「住まい」の買主さんは絶対に失敗したくない一心で周到に情報を集め比較検討しており、そんな人が割高な物件を買う事はないからです。
売りに出してもなかなか売れない時の売主さんのストレスは相当なもので、経験したことのある方ならよくおわかりですよね。

売主さんの売却計画の最終目的は、相場の範囲内の最高価格で、売りたい時に売れること、スムーズに売却計画を終えること、です。
それを実現する方法は、一度に多くの買主を集め競争原理を働かせることです。

買主さんの場合は売主さんと違い、もっと深刻です。
売主さんの場合、売却がゴールですが、買主さんの場合は買った物件にこれから「住み」生活が始まるからです。

つまり、購入の決断がず~っと付いてまわるため、絶対に後悔したくない失敗したくない、それが精神的な部分の多くを占めています。安らぎの場であるはずの「住まい」に対していつも「失敗した」などと思いたくないからです。
ましてや、とんでもなく割高な物件を買うなど論外でありえないことは言うまでもありません。