不動産に「掘り出し物」はあるのでしょうか? パート2

ここで、みなさんにお聞きしたいのですが、みなさんにとって「掘り出し物」とはなんでしょうか?

特に、「住まい」と言うのはみなさんにとって生活の基盤であり安らぎの空間で癒しの場でなければなりません。

その為にみなさんは絶対に失敗したくないと考えます。
騙されて高い物を押し付けられてしまうかもしれないと言う恐怖感からくる価格への欲求。
恐らくそれが「掘り出し物」へのあこがれ・欲求となって表れているのではないでしょうか?

自分の「住まい」は○千万円で手に入れることができた、相場の○百万円も安く買え「掘り出し物」だった!と言う訳です。

しかし「掘り出し物」の定義は価格だけでしょうか?

例えば

相場2,000万円のマンションの場合、2年前に300万円かけてリフォームした物件を2,000万円で買えたらどうでしょう?

また

同じマンションの同じ面積の住戸で東南角部屋が2,000万円で買えたらどうでしょう?

価格に対して物件の価値:スペック(※1)が高いとか、その反対に物件の価値:スペックに対して価格が安い物件が手に入るとしたらあなたはその時どう思いますか?
これは「買い得だ」と思いますよね!

※1:スペック
スペック(spec)は「仕様(機械などの構造や性能)」という意味の言葉です。不動産では土地の場合「面積」「方角」「立地」「高低差」などで、マンションでは「専有面積」「築年数」「保守状態」「角部屋」などの希少性などにも含まれます。

不動産は「価格」と「スペック」とのバランスでなりたっています。

数字に置き換えて言いますと
「価格:1.0」VS「スペック:0.9」の場合は
価格が相場でスペックが低い場合、高い物件と言う評価を受けます。

「価格:1.1」VS「スペック:1.0」の場合は
価格が相場より高くてスペックが標準の場合、高い物件と言う評価を受けます。

「価格:0.9」VS「スペック:1.0」の場合は
価格が相場より安くてスペックが標準の場合、安い物件と言う評価を受けます。

「価格:1.0」VS「スペック:1.1」の場合は
価格が相場でスペックが高い場合、安い物件と言う評価を受けます。

以上は、当たり前の話しなのですが、みなさんにとって「掘り出し物」の定義は2種類あります。

①相場に対して安い「価格」の物件
②相場に対して高い「スペック」の物件

②は少し分かりづらいですが、マンションであれば、東南角部屋・ルーフテラス付などをお考えいただければ分かり易いのではないでしょうか。

要するに、良い意味で如何に「ギャップ」のある物件を探す事ができるかなのです。

何よりも①の「価格」を優先する場合は、いかにして相場より安い物件を探すかで、こだわりや将来の換金性などを考慮する場合は②の方がいいですよね。

では、このような「掘り出し物」を手に入れるにはどうすればいいのでしょう?

不動産会社はこのような情報は一般に情報公開しません。
不動産会社は直接繋がっている買主さんから随時、情報提供します。
いなければ探します。

それは、売主・買主さん両方から手数料が貰える。(※2)両手取引がしたいからです。

なので買主さんは、このような情報を不動産会社から提供してもらおうと思えば不動産会社と直接繋がっておく必要があるのです。

しかも、できるだけ多くの。

でも、全然知らない100社単位の不動産会社と直接繫がるなんて無理があるし、うるさくていやですよね。(電話とメールで頭おかしくなってしまいますね!)

できればみなさんの多くは、周りに知られることなく希望条件に合った、しかもお買い得な物件を買い、絶対失敗したくないと考えていますよね。

ネット社会の現在、このような「お買い得」物件をもっと簡単にしかも安全に手に入れる方法はないのでしょうか?

最後に。

確かに「掘り出し物」は魅力のある物件であることは疑う余地のない事実なのですが、そう簡単には巡り合う事ができないのも事実で、みなさんの従来の探し方では、よほどのラッキーが無ければ限りなく可能性は低いとしか言いようがないのが現実です。

ただ一つだけ確信をもってお伝えできるのは、購入の決断をする時にみなさんは購入しようとしている物件に自分自身がどれほど納得しているかが重要です。

それは探す過程までさかのぼって総合的にその「購入する」と言う自分自身の「決断」を自分自身に納得させられるかであり、「私はここまでして探し、この物件に巡り合うことが出来これ以上の物件はないと確信できる、この物件の購入を決断するのは間違いではない」と思えるかです!

不動産に「掘り出し物」はあるのでしょうか? パート1

有ります!

ズバリ!みなさんの「掘り出し物」は相場の10%が限度です。
例えば2,000万円が相場のマンションの場合、1,800万円で買うことができれば凄い「掘り出し物」です。極レアではありますが、これぐらいで買えることがあります。(とてもラッキーですね。)

でもこれ以上は無理です。これだけ安ければ、買いたい買主さんが他にもいくらでもいるからです。
ですから、相場の15%も安い物件はほぼ存在しません。そこまで安くしなくても売れてしまうからです。

面白い事に相場の20%安い物件は存在します。でも、一般の買主さんが買う事はできません。なぜか?「プロ」そう不動産会社が買ってしまうからです。

そもそも不動産情報には、みなさんが見る事の出来る「公開情報」と普段みなさんがなかなか見る事のできない「水面下の情報」があります。
「公開情報」とは、みなさんがスマホやPCでいつでも見れる情報や不動産会社へ行き紹介してもらえる(※1)レインズ情報などです。

※1:レインズ情報
レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピュータ・ネットワーク・システムの名称です。
指定流通機構の会員不動産会社が不動産情報を受け取ったり情報提供を行うシステムで、会員間での情報交換がリアルタイムで行われています。

「水面下の情報」とは、未・非公開情報や市場に出る前の潜在情報、不動産会社各社それぞれが少しづつもっている情報です。実はこれらの物件の売主の売却理由には様々なものがあり、現実の社会の厳しさを垣間見ることができます。

「水面下の情報」の売却理由を大きく二つに分けてみますと
①ポジティブ(前向きな理由)
②ネガティブ(後向きな理由)
と言うとなんだかかよくわかりませんが、

①のポジティブ(前向きな理由)な理由の場合は全然問題なく、水面下でいい物件から順番に売れて行き、売れなければやがて「公開情報」となるものです。

一方、②ネガティブ(後向きな理由)な具体的理由は

❶住宅ローンが払えなくなった
❷何らかの理由で急いで換金する必要がある場合
❸相続財産を分割するため

などの理由で、要するに早くお金に換え、返済に充てたり分けたりする必要がある場合と言えます。中には競売などの情報として公開される場合があります。

ネガティブな売却理由の場合はとんでもない「掘り出し物」と言う事になりますが、残念ながら一般の買主さんはほぼ買うことができません。
ここが不動産屋さんの不動産屋さんたる所以で、このような情報は不動産会社に真っ先に入り、どこかの不動産会社が再販商品として、または自社資産として買い取ることになるからです。

買取価格はケース・バイ・ケースですが、概ね相場の20%OFFが一つの目安です。
相場が2,000万円のマンションの場合は1,600万円と言うことになります。

一般の買主さんからすればよだれの出るような物件ですが、
不動産会社はこの買い取った物件(居住用の場合)をほとんどの場合、商品として再販して、市場に2,000万円で売りに出されることになります。

なぜ、相場の20%OFFが不動産会社が買い取る目安になるかというと買取→
再販→回収(決済)までに下記の諸費用が必要だからです。

  1. 買取時に仲介会社に支払う手数料が約55万円
  2. 登記費用(所有権移転・抵当権設定・司法書士手数料等)数十万円
    精算金(固定資産税・管理費等)数万円
  3. 室内手直し費用が数十万円(3~5%程度)
  4. 銀行よりの借入費用・金利の支払い(数十万円:再販時の決算時まで)
  5. 再販時の不動産会社に支払う仲介手数料(2,000万円で再販の場合)68万円
  6. 売却益に対する税金

上記をすべて考慮してスムーズに再販できた場合、約150万円強の利益となります。
約250万円が経費として消えていき、なかなか売れず回収が遅れるようなことがあれば銀行からの借入金の金利の支払いや広告経費がかさみ利益がどんどん減って行き最悪は赤字も覚悟しなければなりません。
ということで如何に不動産会社と言えどもこれ以上は高く買う事はなかなか難しようです。

人気マンションの場合はすぐ売れるのでもう少し高く買います。
しかし、一戸建ての買取は物件の総額や室内の保守状態で大きく変わる場合があるのと、再販時の買主さんの評価にばらつきがあり不動産会社と言えどもとても難しいものがあります。
逆に、如何に不動産会社と言えども20%以上安く買おうとするとライバルとの争いに負けてしまうのでおのずと買取の相場ができてしまうのです。

「掘り出し物」は、みなさんが買うことのできる「掘り出し物」の物件と不動産会社が買う「商品」としての「掘り出し物」の二重価格構造になっています。

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高く売りたい!安く買いたい!パート3

では、2つの問いを挙げましょう。

①みなさんは住まいをどれほど高く売ることができ、どれほど安く買えるのでしょうか?
(勿論、想定はバブル経済のような異常な時のお話しではありません。)

②不動産に「掘り出し物」はあるのでしょうか?

答えから申し上げましょう
①の答えは、
みなさんが一般的に取引することのできる居住用不動産の中古物件の場合、相場の5%前後の範囲で売買されています。

②の答えは
「掘り出し物」はあります。

それでは、それぞれの答えについてもう少し詳しくお話ししましょう。

①みなさんは住まいをどれほど高く売ることができ、どれほど安く買えるのでしょうか?

まずこちらについてお話しします。

例えば
大都市のとある駅から徒歩15分の中古マンション・築20年・3LDK・専有面積70㎡という物件の相場が2,000万円だとすれば、みなさんには概ね1,900万円~2,100万円の価格の差異の範囲で売り買いされています。

「前後5%も変わるの!」と思われる方と「前後5%しか変わらないの!」と思われる方の両方がいらっしゃるでしょうが、先にお断りしたように「みなさんが一般的に取引することのできる物件の場合」を想定してお話ししています。
分譲マンションを建築するような大きな土地や、都心の一棟売り収益物件などは市場環境が違います。
もっとも、いまお読みになっていただいているみなさんは、そのような物件には関心ありませんよね。

では、なぜこのように200万円(10%)もの差異が生じるのでしょう!?

三つほど原因がありますが、影響力の強い原因からお話します。

一番目に影響力が強いのが ❶同じ地域で同等レベルの売却物件がたくさんある場合です。

わかりやすいのが中古マンションの売却物件です。
総戸数120戸の中古マンションで年間平均12戸の売却物件がある場合、うまい具合に毎月1戸づつ売りに出る場合と、たまたま極端に1ヶ月に12戸が売りに出る場合ではどうでしょう?
後者の場合、供給過多になり相場が崩れるのは当然ですよね。

ここまで極端なことはないでしょうが、たまたま4〜5戸が売りに出る場合はよくあることです。
しかも近くに同等レベルの中古マンションも何棟かあり、それぞれ数戸づつ売却物件がある場合も当然供給過多になり、相場が崩れ、割安感を出さないと売れないと言うことになります。

でも、ご安心くださいそれでも1,900万円で売れていきます。
それは、すべての物件が一斉に1,900万円に値下げしないからです。
割安感がある物件から順番に売れて行きます。それが相場というものです。

買主さんの立場に立てば、値下げを決定した二次情報(価格を下げて改めて売りに出す物件)は割安感のあるお買い得な物件という事になりますが、残念ながらその情報は取り扱っている不動産会社の担当者でないと分からないので、その担当者と直接連絡を取り合う関係になっていないと事前に値下げの事実をいち早く知ることができず買えません。

なぜなら、既に担当者は「安くなれば買う買主」を見込客として掴んでいる場合が多く、一般に向けて情報公開せずともそれらの買主に売れてしまうからです。

以上は、買主さん目線のお話しですが、売主さんの目線でお話しすれば当然真逆となります。
同じマンションや付近のマンションに売り物件が無い時期を上手く見計らい売りに出せば、割高で売れる確率が数段高くなります。
しかし、2,100万円では売れますが2,500万円では売れません。

これは2,000万円の予算で探している買主は¥2,500万円は出さない、または出せないためで、一方で予算予算2,500万円で物件を探している買主はもう一段高いスペックの物件を探しており、検討の対象物件ではないからです。

もっとも売主さんの売却理由はそれぞれで、みなさんが計画的な売却を行えるとは限らないため、売却価格が相場の前後5%のブレ、200万円の差異が生じるのです。

都心部の中古戸建を売却する場合は分譲マンションの場合とは少し事情が違って来ます。
分譲マンションの場合は永住を前提に購入される方は少なく、20年~30年住んで買い替えする方が多いので流通量も多くあります。
中古戸建の場合は永住指向が強く、そもそも流通量自体が少ないために相対的に売り手市場で今のところ相場的に高く売れる場合が多いのですが、人気地域とそれ以外の地域や駅から徒歩圏内かバス便かで二極化が進んだ結果価格の格差が鮮明になって来ており、二極化の傾向は今後ますます顕著になるのは避けられないでしょう。

大都市周辺の高度成長時代に開発された大型ベッドタウンでは事情は真逆で、少子化の影響もあり売却するのにみなさん苦労されているようです。
この話は非常に重大なお話しなのでまた改めてお話ししたいと思います。

二番目以降の理由についてはまた次回お話ししましょう。