高く売りたい!安く買いたい!パート1

さてこのシリーズでは、みなさんが一番興味をお持ちであろう不動産の相場「価格」についてお話しいたします。
ここでは大都市(都心部)の居住用不動産の中古物件「住まい」に限定してお話しを進めさせていただきます。

当たり前の話ですが「売主さん」は1円でも高く売りたい「買主さん」は1円でも安く買いたいと思うのが人情です。

売主・買主さんは真逆の立場なのでいたしかた無いのですが、特に佐海さんが長年お世話になりました関西の「売主さん」「買主さん」はその立場の違いが特に分かりやすく、お客様心理の勉強になりました。

売主さんは不動産会社に依頼(媒介契約)し市場に売りに出す際の価格(通称:値付け)を決めて市場に出すことになるのですが、その際、不動産会社が事前に調査作成した「査定書」(*1)を参考に不動産会社の担当者と相談して決める事になるのですがそこで興味深い会話になります。

(*1)「査定書」
不動産会社が作成する不動産査定書は、個人が不動産を売却する際に、売出し価格の参考とする目的で取得します。一般に査定価格は、当該価格で売り出した場合には、3ヶ月以内で売却可能と判断される価格です。

こんな具合です。

不動産会社の担当者
「この度は、数ある不動産会社の中から私ども〇〇〇不動産に、大切なご自宅の査定をご依頼いただきまして誠にありがとうございました。」

売主さん「宜しくお願いします」

不動産会社の担当者「早速ですが、査定の結果××様のご自宅の査定価格はこのようになりました。」

担当者から査定書の詳細な説明を経て…

売主さん「2,000万円ですか!?」

不動産会社の担当者
「はい、ちょうど××様のご自宅と同じマンション内で2か月前に売却した成約事例(*2)が有りましたので比較検討の結果、2,000万円となりました。」

(*2)成約事例
不動産会社が作成する不動産査定書は、査定をする物件に対して出来るだけ直近の類似の成約済(売買契約の完了した事例)の成約物件との比較により数値化し査定価格を導き出すための物件が、成約物件であり成約事例と言います。

売主さん
「あのお部屋の奥さんとはお友達で時々おじゃましてよく知ってたけど、入居後一回もリフォームしてなかったので新しく買いはった人がリフォーム費用がたくさんかかったからしょうがないけど、うちは8年前にお風呂(ユニットバス)入れ替えているしリビングのクロスも張り替えて綺麗に住んでいるから全然ちがうと思うけど!」

確かに、不動産会社の担当者は直接その成約事例物件の取引をした張本人でない限り、成約事例物件の保守状態までは分からないのですが、今回の査定物件も8年前のお風呂(ユニットバス)の入れ替えやクロスの張替なので残念ながら大きく査定価格には反映できないのも事実です。
しかし、売主さんにとってはそれは許せないのです。
売主さんにとっては自宅に対する愛着もあり自分の自宅だけは他のお部屋より高く売れると思っているし思いたいのです。

それは、不動産会社の担当者としても売主さんの気持ちとして察するに余りあるほど分かるので、この様な会話がつづく訳です。

不動産会社の担当者
「××様のご希望の売り出し価格はおいくら位をお考えですか?。」

売主さん
「このマンションはこの地域ではとても人気がありきっといい買主さんがいると思うので、2,300万円で売れると思います」

これを聞いた不動産会社の担当者は内心では、査定価格の15%も高く売るのはさすがに無理と思いつつも、ここでそれを否定し査定価格に近い売り出し価格を提案してしまうと売主さんのご機嫌を損ない他の不動産会社に仕事を持って行かれるので…

不動産会社の担当者
「なるほど、では2,380万円でいかがですか?ご期待にお答え出来るよう一生懸命頑張りますので、私にお任せくださいますか」

売主さん「はい、ではよろしくお願いいたします」

以上が、売主さんと不動産会社の担当者との今も昔も変わらない現場での会話です。

次回のパート2で、この後売主さんがどうなるかと、今度は買主さんの立場から見てみましょう。