営業担当者の心の内・住まい売却編 第1回

こんにちは、佐海です。

「営業担当者の心の内」シリーズ前8回は、買主と不動産会社の営業担当者のやり取りを通して、営業担当者の心の内を覗いてみましたが、今回からはこのケースを真逆の立場の売主と不動産会社の営業担当者のやり取りを通して、営業担当者の心の内を覗いてみたいと思います。

このシリーズの売主は「子供が大きくなって手狭になったので、一戸建てに買替する」と言う買替が売却動機でした。
売却側の不動産会社は、分譲住宅(一戸建て住宅)の分譲会社の関連の不動産会社となります。

買替の場合、売却が長期化すると売主の心理も時間と共に変化し、不動産会社の担当者との間にも微妙な変化が表れてきます。

それでは、始まり始まり…。

不動産会社の担当者「この度は、○○○○ハウスの分譲一戸建て住宅をご契約いただきまして、ありがとうございました。今回の住宅は、お客様の希望を反映した注文住宅となりますので、お引渡し(決済)まで6か月ございます。時間は十分ありますが、いち早く良い買主をお世話できるよう一生懸命頑張りますので、宜しくお願いいたします」

売主(奥様)「よろしくお願いします」

売主(ご主人)「よろしく」

不動産会社の担当者「新築の担当者より概要はお伝えしていますが、査定の結果××様のご自宅の査定価格はこのようになりました」

●中略  担当者から査定書の詳細な説明を経て

売主(奥様)「やはり、3,400万円ですか…?とても納得できないわ」

不動産会社の担当者「ご説明の通り××様のご自宅と同じマンション内で3か月前に売却した成約事例が有りましたので比較検討の結果、3,400万円となりました。」

売主(奥様)「あのお部屋の奥さんとは、管理組合の役員が一緒で時々おじゃまして、お部屋の中もよく知っていたけど、子供さんのいたずらで随分お部屋の中が汚れていて、新しく買われた方がリフォーム費用がたくさんかかったらしいのでしかたないけど、うちは綺麗に住んでいるから全然ちがうと思うけど!」

営業担当者の心の声(確かに、わたしは直接その成約事例物件の取引をした張本人ではないので、成約事例物件の保守状態までは分からなけど、そもそも築後9年が経過したマンションのお部屋なので、住んでいる本人はあまり気にならなかったり分からないけど、買主の立場になればそれなりの汚れや経年劣化が目に付くものなんだがなぁ…。でも、売主さんにとってはそれは許せないんだよなぁ…。売主さんにとっては自宅に対する愛着もあり自分の自宅だけは、他のお部屋より高く売れると思っているし思いたいんだよなぁ…。しょうがないか、売主さんの気持ちを考えると1円でも高く売りたいかなぁ…)

不動産会社の担当者「××様のご希望の売り出し価格はおいくら位をお考えですか?」

売主(奥様)「このマンションはこの地域ではとても人気があり、きっといい買主さんがいると思うので¥3,700万円~3,800万円では売れると思います」

営業担当者の心の声(まったく、査定価格の10%以上も高く売るのは、さすがに無理と思いますよ…勘弁してほしいな。でも、はじめから売主との関係がギクシャクしてしまうと何かと今後の仕事がやりにくいからなぁ。しょうがないか!)

不動産会社の担当者「では、ご要望にお応え致しまして3,780万円で如何ですか…?」

売主(奥様)「そうですね…」

売主(ご主人)「そうだね、新しい家の支払いを考えると、それくらいで売れると助かるね…。それでお願いします」

不動産会社の担当者「はい、わかりました。ただ、万一このお部屋の売却が遅れますと「つなぎ融資」を使う事になり、かえって金利や諸費用など余計な費用の持ち出しとなりますので、かえって売却後の手残り金額が少なくなってしまいますので、スムーズな買替計画を考えますと、通常は査定価格の5%UPが上限と考えられます。このお部屋の場合、3,570万円が上限です。なので、市場に物件情報を出しても反応がかんばしくない場合は、売り出し価格の見直しをして下さい」

売主(ご主人)「わかりました」

売主(奥様)「大丈夫よ。まだ6か月もあるもの」

営業担当者の心の声(余裕があるのはいいけれど…大丈夫かなぁ~)

以上が買替の売主さんと不動産会社の担当者との、今も昔も変わらない現場での会話です。

つづく

まとめ

・買替の場合、売却が長期化すると売主の心理も時間と共に変化し、不動産会社の担当者との間にも微妙な変化が表れてきます。
・売主さんにとっては自宅に対する愛着もあり自分の自宅だけは、他の家より高く売れると思っているし思いたい。
・相場の10%以上高く売るのは無理、通常は5%UPが上限。