住宅流通市場の緊急の課題

2013年住宅・土地統計調査によると、日本の住宅総数は世帯数より約16%多く、量としては十分足りているそうです。これから後、人口の5%を占める団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」は、大量相続時代を迎えるため、団塊世代の大量の持ち家は空き家になるか、中古住宅市場に大量に供給されるかです。

こんにちは、佐海です。

住宅は基本的に需要と供給のバランスで成り立っています。在庫が沢山あると、購入者側は安く住宅を購入できるメリットがあります。

しかし、所有者側は同じエリアで競合する物件が増え続けた場合、全体として資産価値が低下するデメリットがあります。

国立社会保障・人口問題研究所によると、住宅に関する指標となる世帯数は19年ごろをピークに減少に転じると予測されています。中長期的に見て、住宅需要が縮小に向かう折り返し地点であると言える。

それでは、今後の住宅流通市場には、何が必要でしょうか。
第1に、これ以上、住宅数と居住地の総量を増やさないことです。
第2に、既存住宅(持ち家・空き家)の活用や流通が一般化した住宅市場へと転換することです。
第3に、住宅を「使う」ためのビジネスモデルの構築です。

このような取り組みを官民共同で早急に展開していくことが必須であると同時に、住宅の質を確保するためにメンテナンスに力を入れる私たち自身の習慣・文化への変革が必要です。私たちの住宅に対する考え方を変えていく必要があります。

国の住宅政策もストック(既存)重視に転換しており、中古住宅の流通促進や空き家の転用を促すための建築基準法の緩和など様々な施策が展開されています。

国土交通省は既存住宅市場の今後の具体的な施策として、既存住宅に「履歴書」を付け流通の促進を図ろうとしています。

国土交通省では不動産物件に公的なIDを付与し、「履歴書」のように取引実績を集約する仕組みをつくる計画があります。

この方法は、アメリカでは既に随分前に整備され有効に活用されています。対象物件の過去の成約価格の推移やリフォーム実績の有無などを一覧できるようにし、市場の透明性を高めることで中古住宅の流通を促す。物件単位の細かな情報を蓄積することで、不動産統計を高度化する狙いもあるようです。

具体的な方法は、宅地建物取引業者が使う「REINS(レインズ)」と呼ばれる公的な情報仲介サービスの登録物件にIDを付与、IDによって同一物件のものだと認識された過去の取引履歴を集約すると言う方法です。

レインズには17年度に約160万件の新規売却物件が登録されています。これまでは不動産物件に関する詳細な取引履歴を把握するには、登記簿をたどったり以前の所有者に直接問い合わせたりするなど膨大な手間がかかりました。不動産IDが普及すれば、物件単位の価格推移を容易に把握できるようになります。地域や条件を限定するなど、より詳細な不動産市況の推移を統計化しやすくなることでしょう。

まとめ

・「住宅過剰」で空き家や中古在庫が急増中
・これ以上、住宅数と居住地の総量を増やさないこと
・近い将来、不動産物件に公的なIDを付与し、「履歴書」が付けられるように