高く売りたい!安く買いたい!パート2

結局「査定書」の意味とはなんだったんでしょう?
「査定書」の査定価格が2,000万円の場合、不動産会社はこの物件の売却可能価格は2,000万円ですよと「売主さん」に提示している訳です。

実は、「売主さん」の気持ちを忖度しつつ上手く利用して物件確保する不動産会社の担当者の抜け目ないのが凄いところで、自分から2,300万円と言って物件確保すると、当然相場よりも高くて売れない訳です。
そうした売れない時には、その責めを売主さんから受けかねないのですが、売主さんから2,300万円と言ってもらえば「売主さんの要望に応えた」と言う大義名分ができます。
その場合、売主さんの信頼を勝ち取ることに成功している不動産会社の担当者としては、2,300万円で売れなかったとしても、その後の二次情報(*1)になった場合に両手取引の大きなビジネスチャンスにつながりますので、まずは物件確保ができ一安心というわけです。

(*1)二次情報
初回の売り出し価格で売却する事ができず値下げして売りに出す「値下げ情報」です。不動産会社にとっては両手取引を実現できる可能性の高いとても魅力のある情報です。
また、買主にとっても魅力のある情報の場合が多いです。

これは売主さんが悪い訳でもなく不動産会社の担当者が悪い訳でもないのです。
売主さんは一縷の望みをかけて高値から出したいのが人情で、要望に応えようとする不動産会社の担当者はなんら違法行為をしている訳でもないからです。

ただし、こうした結果、売主さんはなかなか家を売却できず、ストレスが溜まり胃が悪くなり貴重な時間を無駄遣いする事になります。一方、不動産会社も売れないのを百も承知で形だけの広告活動をし、無駄な時間と広告経費を使い収益率を下げることになり、もはや何が何だかよく分かりません。
非生産的ですね!

もっとも昨今では、「高く売れます」などのキャッチコピーで売主さんの関心を引き、利用させようとする「査定サイト」が氾濫しているようです。
本当にそんなことができるのか佐海さんの記事を読んでいただければ答えお分かりになると思います。

さて一方買主さんは、当然自分の希望に近いであろう物件情報を不動産会社さんから提供を受け、その中からいくつか良さそうな物件を内覧し、その中で一番良かったと思える物件を見た時に不動産会社から「早く決めないと売れてしまいますよ。」などと煽りを入れられる訳です。
そんなことは百も承知の買主さんは少しでも安くすることができないものかと、気に入った購入しようと思っている物件の粗探しをして、少しでも値段交渉を有利にしたいと考えています。

買主さん「先ほど内覧した××邸どれくらいまで値段下がりますか?」

買主さんが値段のことを聞いてくると言うことは、物件に関心があると言う事を十分に分かっている不動産会社の担当者は、以下のような受け答えをし、やんわりと値段はそんなに下がらないことをにじませつつ煽りを入れます。

不動産会社の担当者
「××邸はいい物件ですよ丁寧にお住いですし値段もお手頃な価格なのですぐに売れてしまうと思います」

買主さん
「でも、お風呂に浴室乾燥機も付いていないし、お台所の流し台も食洗器が付いてなったので、私たちが買うとしたら全てリフォームするので相当費用がかかりそう」

確かに、そのことは事実ですがお風呂も流し台もまだまだ十二分に使えるもの、リフォームするのは買主さんの自由で、それを売主さんに持って行ってもしょうがないくらい、これまた十二分に分かっていながら、さらりと言うことにより値段交渉してほしいという自分達の意向を担当者に伝える買主さんの高等テクニックです。

その後、不動産会社の事務所にもどりゆっくりと話し合い、買主さんの購入意思を確認後、担当者のお決まりの「セリフ」が炸裂します。

不動産会社の担当者
「では『買い付け申込書』を書いていただけますか。売主さんに失礼のないように書面で購入の意思をお伝えし、価格を含め△△様(買主さん)の購入希望条件を売主さんにご検討していただきます」

こんな具合です。

パート1からお話ししてきた売主・買主さん両者の話(心理)はごくごく当たり前、痛いほどわかる話です。
ここで不動産会社の担当者が毅然とした態度で自分が調査作成した「査定書」の正当性を主張し早期に売却できる妥当な価格(値付け)を提示できれば、もっと売主さんのためになるスムーズな売却ができ、買主さんも自分が購入したい物件に対して粗探しをしなくてもよく、不動産会社も無駄な時間や広告経費を使わなくて済み三方よしなのですが、それが出来ないのが現場の担当者の辛いところです。
かくいう佐海のおっちゃんも、両目をつむって何度も売主さんの顔色を見て物件確保してきました。

そもそもネット時代になった今日、三方よしになるネットのサービスはないのでしょうか!?

次回は、シリーズの話題の原点に戻って不動産の相場の話をしたいと思います。